¡Hola Mexico!

メキシコ雑貨店 ¡HolaMexico!(オラメヒコ!) のブログです。メキシコの楽しいこと、かわいいもの、をたくさん発信していきます!

アレブリーヘス!アレブリーヘス!アレブリーヘス!

Hola!

こちらメキシコはここ数日、曇り空。

で、ついに昨日すごい雨と風と雹と雷が小一時間ほど続き、いよいよ来ましたかね・・・・雨の季節が・・・ほっほっほ。

 

やっと涼しくなる~、なんてもんじゃありません。

雨が降って太陽が隠れてしまうと、さすが標高2000メートルの高地、一気に寒くなります。あんなに暑くて暑くて炭酸ばっかり飲んでいたのに、今日は暖かいお茶がおいしい♡

極端なんだから、もー。

 

とはいっても、昼間はだいたい晴れて、まだまだ暑いです。

夕方から夜にかけてスコールみたいに雨が降って、朝晩ちょっと冷え込み始めます。

雨季が始まると、カラッカラに乾いていた空気が少しだけ落ち着いて、景色に緑色が増えて潤いを実感いたします。

そして、メキシコ料理に欠かせない三本柱!トウモロコシ、豆、唐辛子の種を撒いて、夏の収穫に備えます。

 

恵みの雨です。

 

 

さてと。

今週日曜日はいよいよ金魚まつりですよ!(代々木八幡宮にて)

¡HolaMexico! もフリマスペースに参加します!新緑の季節、お散歩がてらにぜひ遊びにきてみてくださ~い。

 

今回は主にオアハカで作られている、アレブリーヘスと呼ばれている木彫りの置物も入荷しておりますので、ちょっとご紹介いたします!

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「アレブリーヘス」とは!?

その誕生はなんともファンタジーなんですよ!

 

「アレブリーヘス」とは、ピニャータやフーダス(セマナサンタでくるくる回っていたフーダス)を作る一人の伝統的な張り子職人、Pedro Linares López氏(ペドロ・リナーレス・ロペス氏)によって生み出され、のちにメキシコを代表する工芸となりました。

 

時は1936年、ペドロ氏30歳。病の床に伏し、意識もなくなって死の淵をさまよっていた時のこと、ぺドロ氏は奇妙な夢をみたそうです。

そこは岩や木、動物たちがいる森のような、なんとも言えず不思議な場所で、穏やかで痛みもなくしあわせで、とても満たされた気持ちで、歩いていると・・・・。

突然!

すべてが奇妙な形に変わったのですって!言葉に表すのことのできないような・・。

ペドロ氏が目にしたのは、羽のあるロバ、牛の角を持った雄鶏、犬の頭のライオン!!

そしてみんながただ一つの言葉を叫んでいた・・。

 

「アレブリーヘス!アレブリーヘス!アレブリーヘス!」

 

ペドロ氏はさらに歩き続けていくと、ひとりのとても静かに歩いている男の人を見つけます。そして、この世界からどうやったら出られるのか尋ねると、その男の人はペドロ氏に言います。

「あなたはまだこの場所に来るべきではなかった。出口はまだ先だ。もっと先まで歩きなさい。」

ペドロ氏は走って、走って、体をねじらせたらなんとか通れるような狭い窓にたどり着き、そして目覚めたそうです。

 

目が覚めると、彼はすでに回復しており、夢で見たファンタスティックな世界を家族や他の人に見せようと、張り子で形作り、色を塗って夢で見た不思議な動物たちを再現したのでした。そして、それらをアレブリーヘスと名付けたのだそうです。

これがアレブリーヘスの誕生です。

 

それからペドロ氏は、1992年に86歳で亡くなるその前日まで、毎日16時間(!)作り続けたのだとか。

 

彼は親や祖父母から受け継いだ伝統の継承とメキシコ芸術の創造に計り知れない貢献をした、ということで、1990年にメキシコの「Premio Nacional de Ciencias y Artes」という賞を受賞しています。これはディエゴ・リベラやルフィーノ・タマヨ、ルイス・バラガンなどメキシコを代表する芸術家たちも受賞している賞だそうですよ。

 

先々月、メキシコシティフリーダ・カーロとディエゴ・リベラの青い家に行った時に、彼らがコレクションしていたというアレブリーヘスをたまたま見たのをぼんやり思い出したのですが、実際ペドロ氏はディエゴとフリーダのためにもアレブリーヘスを作っていたのだとか。

私が見た、あの家に飾られていたのものの中にあったのかも?・・・なんて思ったりしました。こういうことって前もって知っていたら、もっと面白かったのに!

 

そしてペドロ氏のアレブリーヘスは、BBCテレビのドキュメンタリーシリーズのプレゼンターとして知られるジェイコブ・ブロノフスキー(イギリス出身のポーランド系ユダヤ人で数学者、生物学者、科学史家、劇作家、詩人、発明家・・・・何者っ?!)という人によってアメリカに紹介され、世界的に知られるメキシコの工芸となりました。

 

そして、今やアレブリーヘスと言えば、ペドロ氏が作った夢の中の不思議な動物たちだけではなく、オアハカの伝統的な木彫りの置物のことまで指すようになっております。

もともとオアハカの valle de oaxacaと呼ばれる地域で作られていた伝統的な木彫りが、ペドロ氏の夢の動物たちと出会い、いつしか、オアハカの伝統的な木彫り自体がアレブリーヘスと呼ばれるようになったようです。

厳密にいえば、夢の中の不思議な動物たち以外はアレブリーヘスではないのでしょうけれども・・・・。

ペドロ氏(とその家族の方々が作る)のアレブリーヘスと、オアハカの木彫りのアレブリーヘス、物は違えど同じくアレブリーヘスと呼ばれているから、ちょっとややこしいですね。

 

そして、木彫りのアレブリーヘスの方ですが・・・・ざっくりと、そしてほんわかした気軽に手にできるものから、高級工芸品の素晴らしい作品までいろいろありますが・・・・・

 

今回 ¡HolaMexico! では旦那様が木彫りを、奥さまが色付けをしているという、夫婦二人三脚の作品を入荷いたしております~。見ているだけで楽しくて、ほっこりする。どこかユニークでほっとするようなものばかりです!

 

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足のさらり具合・・・

 

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なんか頭がリーゼントっぽい。あ、背びれか・・・・。

 

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このオーバーオールの似合うおじ様、ただのおじ様ではないんです!

悪魔なんです!だからしっぽもあるんです!

 

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にゃろ~ん。

この子は我が家のベッドの淵から降りてきませんでしたので、金魚まつりにはいけません。あしからず。

 

一人の人が見た夢が、こんなふうにメキシコを代表する工芸になって世界に広がっていくなんて、すごいミラクルだと思いませんか?

 なんと夢のあるお話!!でございました。

 

 

(む)